【鑑賞料金改定のお知らせ】(2023.12.5) |
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ロミー・シュナイダー映画祭2024
20世紀最高の女優 ロミー・シュナイダー。多彩な魅力を引き出した3作品がデジタルリマスターの美しい映像でスクリーンに!
<上映作品>
『プリンセス・シシー』
『最も重要なものは愛』
*日本劇場初公開
『デス・ウォッチ』
*日本劇場初公開
1938年、オーストリア、ウィーンの名門俳優一家の元に生まれたロミー・シュナイダー。6歳の時に両親が離婚し、不遇の幼少時代を過ごすも頭脳明晰で独立心旺盛だった彼女は14歳で俳優になることを決意。17歳の時の大ヒット主演作『プリンセス・シシー』(55)から、イヴ・モンタンと共演した『夕なぎ』(72)、ヴィスコンティ監督『ルートヴィヒ』(72)、大反響を巻き起こした『追想』(75)と多くの傑作・話題作に出演し世界最高峰の女優として名を馳せたが、一方ではアラン・ドロンとの恋と破局、破産、元夫と息子の死などスキャンダルやゴシップが付き纏う壮絶な人生を送り、『サン・スーシの女』(82)を遺作に43歳の若さでこの世を去った。しかし死後、マリリン・モンローやカトリーヌ・ドヌーヴを抑えて「今世紀最高の女優」(仏CSA調べ)に選ばれるなど、今も世界中の映画ファンに愛され、輝き続けるレジェンドだ。様々な年代、ジャンルの作品によって、ロミーの多面的な魅力を堪能できる、43年の生涯を映画と演技に捧げたロミー・シュナイダーの姿が刻みつけられた三作品をぜひ劇場にてご覧いただきたい。
◆11月30日~12月13日
プリンセス・シシー
-Sissi-
(1955/墺/102分)
監督・脚本:エルンスト・マリシュカ
出演:ロミー・シュナイダー
カールハインツ・ベーム
マグダ・シュナイダー
お転婆娘シシーが、オーストリアの皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と出会い、ヨーロッパ一の美貌と謳われた皇妃エリザベートとなるまでを描いたプリンセス・ストーリー。撮影当初16歳のロミーのチャーミングな魅力満載ながら、後の大女優の片鱗も垣間みえる。宮殿やドレスなど19世紀の宮廷生活を再現した豪華絢爛な世界が圧巻。欧州各地で大ヒットを記録、自由奔放なシシーを演じたロミーは一躍アイドル的女優となった。
© 1955 Erma-FilmproduktionsgesellschaftErnst Marischka & Co.
◆11月30日~12月13日
最も重要なものは愛
-L'important c'est d'aimer-
(1975/仏・伊・西独/113分/R18+)
★日本劇場初公開★
監督・脚本:アンジェイ・ズラウスキー
出演:ロミー・シュナイダー
ファビオ・テスティ
ジャック・デュトロン
ソフトポルノ映画に出演する女優とその夫、彼女に一目惚れしたカメラマンの三角関係を軸に、『ポゼッション』(81)で知られるポーランドの鬼才ズラウスキーが作り上げた、嵐のように疾走する過激で濃密な愛の傑作ドラマ。撮影中はズラウスキーと何度も衝突したロミーだが、演技が高く評価され第一回セザール賞主演女優賞を獲得。むき出しの美しさで哀願するロミーを捉えた冒頭から一瞬たりとも目が離せない。
© 1975 STUDIOCANAL - Rizzoli Film (Italie) - TIT Film Produktion (Allemagne) - Tous Droits Réservés
◆11月30日~12月13日
デス・ウォッチ
-Death Watch-
(1980/仏・西独/130分)
★日本劇場初公開★
監督・脚本:ベルトラン・タヴェルニエ
出演:ロミー・シュナイダー
ハーヴェイ・カイテル
ハリー・ディーン・スタントン
医療が進み、病死が稀になった近未来。不治の病と診断された人気作家の最期の日々をリアリティ番組「デス・ウォッチ」で放映するため、スタッフの男が隠し撮りを始めるものの、逃亡を共にするうち二人の間に絆が芽生え…。『田舎の日曜日』(84)の名匠タヴェルニエによる異色SF映画。粗末な衣裳をまとい死の影に怯えながらも、決して尊厳を失わないロミーの迫真の演技が胸に迫る。本作公開の2年後、実際にロミーはこの世を去った。
© 1980 / STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA - TV 13 Munich avec la participation de la SFP
呪われた絵画
著名な絵画修復師の父親の死後、娘のリサはイタリアの小さな町で中世の絵画修復の依頼を受ける。道中で出会った生物学者たちと意気投合しつつも絵画のある豪邸へと向かう。そこには美しい母親エマと、人付き合いが苦手な娘が暮らしていた。焼けただれた絵画を修復していくと次第にリサは悪夢に襲われるようになる。一方その頃、生物学者たちは何者かによって次々と拉致、監禁され、おぞましい拷問を受けていたのだった…
監督:フェデリコ・ザンパッリォーネ
(2023年製作/92分/R15+/イタリア)
配給:プルーク、エクストリーム
ローレン・ラベラ
クラウディア・ジェリーニ
博士の綺奏曲
史上最高のベネズエラ映画、日本へ。
その音楽は《火山のふもと》で奏でられる…。
研究所に勤めながらも、オルタナティヴ・ロックバンド「ロス・ピジャミスタス」のボーカルを務めていたアンドレスは、汚職にまみれた政権が主催する音楽祭にメンバーたちが無断で参加しようとしていたのを知り、脱退を決意する。バンドを離れ、ソロでの活動を開始したアンドレスのもとに現れた、顔なき奏者「ビースト」たち。混乱と貧困が日常を蝕んでいくベネズエラで、アンドレスはビーストたちとともに、孤高のアルバム制作を試みる…。
監督:フェデリコ・ザンパッリォーネ
(2023年製作/92分/R15+/イタリア)
配給:プルーク、エクストリーム
へスース・ヌネス
ガブリエル・アグエロエ
Blue Note ハート・オブ・モダン・ジャズ
ジャズ界を代表する音楽レーベル「BLUE NOTE」の設立から1990年代までの軌跡をたどったドキュメンタリー。
ナチスによる迫害を逃れてアメリカへ渡ったドイツ系ユダヤ人のアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフが1939年にニューヨークで立ちあげた音楽レーベル「BLUE NOTE」は、モダンジャズを象徴する名門レーベルとして今もなお傑作アルバムを発表し続けている。同レーベルの秘話や魅力について語るほか、1985年ニューヨーク・タウンホールでのリユニオン・コンサートや、ソニー・ロリンズらの貴重なライブ映像、さらに日本を代表するピアニスト・大西順子の若き日のステージも収録。
監督:ユリアン・ベネディクト
(1997年製作/91分/ドイツ)
配給:コピアポア・フィルム
ビル・エヴァンス
タイム・リメンバード
アメリカのジャズ・ピアニスト、ビル・エバンスの生涯を追ったドキュメンタリー。数々の名演、名盤を残し、薬物依存により51歳の若さで生涯を閉じたビル・エバンス。1958年にマイルス・デイビスのバンドに加入し「カインド・オブ・ブルー」を制作した当時の様子や、ドラマーのポール・モチアンとベーシストのスコット・ラファロをメンバーに迎えた歴史的名盤「ワルツ・フォー・デビイ」の制作経緯、そして肉親たちから見たエバンスの素顔や、エバンス自身の音楽への思いなど、これまで未公開だった数々の証言、エバンスの演奏シーンなど貴重なアーカイブで構成。エバンスが駆け抜けた51年をさまざまな角度から読み解いていく。
監督:ブルース・スピーゲル
(2015年製作/84分/アメリカ)
配給:オンリー・ハーツ
ダリオ・アルジェント 動物3部作
イタリアンホラーの巨匠、ダリオ・アルジェントの初期代表作の特集上映!
<上映作品>
『歓びの毒牙(きば)』
『わたしは目撃者』
『4匹の蝿』
極彩色の悪夢的なビジュアルと先鋭的な音楽を融合し、ホラー映画を官能的なアートへと昇華させたアルジェント監督は、1977年の「サスペリア」の世界的大ヒットから、映画ファンから賞賛され、多くのクリエイターに影響を与え続けている。本特集で上映される1970年代前半に発表した3本の初期代表作は、いずれもタイトルに動物の名が含まれていることから「動物3部作」(アニマル・トリロジー)と呼ばれている。なお、近年も監督最新作となる「ダークグラス」(2022)や初主演作「VOLTEXヴォルテックス」(2021)が劇場公開され、自伝「恐怖」の邦訳が出版されるなど、84歳となる現在もその動向は全世界の映画ファンからの注目を集め続けている。
1作目「歓びの毒牙(きば)」(1969)は、主人公が目撃した「事件」を回想する構造を用い、観客が真相に迫るスリルを追体験するという、視覚的効果とサスペンス要素を融合させた画期的なデビュー作。続く2作目「わたしは目撃者」(1970)は盲目の元新聞記者が主役の本格サスペンスにして、アルジェントの永遠のテーマ「視覚の喪失」を見事に映像化した作品だ。そして3作目「4匹の蝿」(1971)で、現実の世界と悪夢の融合という、アルジェントの個性的な作風を確立した。
◆12月14日~12月20日
歓びの毒牙(きば)
(1969/伊・西独/97分)
監督・脚本:ダリオ・アルジェント
出演:トニー・ムサンテ
スージー・ケンドール
エンリコ・マリア・サレルノ
イタリアンホラーの巨匠ダリオ・アルジェントが1969年に手がけた監督デビュー作。アメリカの作家フレドリック・ブラウンの小説「通り魔」を原作に、ローマで発生した連続殺人事件に巻き込まれたアメリカ人作家が事件の謎を追う姿を独特の映像美学で描く。
(c)TITANUS Licensed by RAI Com S.p.A. - Rome, Italy. All Rights Reserved.
◆12月21日~12月27日
わたしは目撃者
(1970/伊・西独・仏/112分)
監督・脚本:ダリオ・アルジェント
出演:ジェームズ・フランシスカス
カール・マルデン
カトリーヌ・スパーク
イタリアンホラーの巨匠ダリオ・アルジェントが監督デビュー作「歓びの毒牙(きば)」に続いて手がけた長編第2作で、盲目の男が連続殺人事件を追う姿をスリリングに描いたサスペンススリラー。
©TITANUS Licensed by RAI Com S.p.A. - Rome, Italy. All Rights Reserved.
◆12月28日~1月3日
4匹の蝿
(1973/伊/104分)
監督:ダリオ・アルジェント
出演:マイケル・ブランドン
ミムジー・ファーマー
ジャン=ピエール・マリエル
ロックバンドの若きドラマー、ロベルトは、執ように自分をつけ回す、黒い帽子の正体不明の男に悩まされていた。そしてある夜、限界に達したロベルトは男に詰め寄る。2人は激しい口論になり、その勢いでロベルトは誤って男を刺し殺してしまう。その瞬間、不気味な仮面の男に現場の写真を撮られてしまい、その事件をきっかけにロベルトの周囲で不可解な殺人事件が起こり始める。
(c)1971 SEDA SPETTACOLI ALL RIGHTS RESEVED. (c)SURF FILM SrI ALL RIGHTS RESERVED.
ダリオ・アルジェント PANICO
「サスペリア」をはじめ「インフェルノ」「デモンズ」などの数々のホラー映画の名作を世に送り出した、イタリアの異才ダリオ・アルジェントのドキュメンタリー。
アルジェント本人が語る貴重なロングインタビューや、アルジェントの各監督作品のメイキング映像のほか、ギャスパー・ノエ、ギレルモ・デル・トロ、ニコラス・ウィンディング・レフンら著名な映画監督たちが、ホラージャンルにおけるアルジェントの功績を語るインタビューも収められ、それらを通して、アルジェントの人生と作品を振り返っていく。
監督:サイモン・スカフィディ
(2023年製作/98分/G/イタリア)
配給:是空
ソウル・オブ・ア・ビースト
謎めいた女性と恋に落ちた17歳の若き父親が、責任と自由、恋愛と友情、現実と幻想など相反するものの狭間で葛藤する姿を描いたスイス発の青春映画。
17歳で子持ちのガブリエルは、息子ジェイミーの母親ゾエが精神的な問題から育児に参加しないため、ひとりで子どもを育てている。まだ遊びたい盛りのガブリエルはネットでジョエルという青年と知りあい、子どもがいることを隠したまま、ジョエルの恋人である謎めいたコリーと強くひかれあう。2人の行動に傷ついたジョエルはコリーの心を取り戻そうと奔走し、3人の恋の炎は激しく燃えあがっていく。
監督:ロレンツ・メルツ
(2021年製作/110分/スイス)
配給:ライツキューブ
自分の道 欧州ジャズのゆくえ
ジャズの一大潮流となった欧州ジャズの歴史と現在を、貴重なアーカイブ映像とミュージシャンたちのインタビューを通して描いたドキュメンタリー。
アメリカでの差別からヨーロッパを目指した巨匠たちと、その影響を受けながら独自のジャズを作りあげたヨーロッパ各国の音楽家たち。ディジー・ガレスピーとダスコ・ゴイコビッチというアメリカとヨーロッパの2大トランペッターによる共演をはじめ、マイルス・デイビス、ドン・チェリーの貴重な映像や、ニールス・ペデルセン、ステファーノ・ボラーニ、ティル・ブレナーら欧州ジャズの重要アーティストたちのインタビューなどを盛り込みながら、欧州ジャズがどのように形作られていったのかをひもといていく。さらに、欧州ジャズレーベルの最高峰・ECMレコードの創設者マンフレート・アイヒャーが同レーベルのレコーディングを指揮する姿も映しだす。
監督:ユリアン・ベネディクト
(2006年製作/88分/ドイツ)
配給:コピアポア・フィルム
オスカー・ピーターソン
ジャズピアニスト、オスカー・ピーターソンの波乱万丈な人生と音楽にスポットを当てたドキュメンタリー。
陽気なキャラクターと幸福感に満ちたリズム&ハーモニー、明快で魅力的な音質と超絶技巧で人気を集め、日本でも「プリーズ・リクエスト」などの名盤の数々で知られるオスカー・ピーターソン。その順風満帆に見えた音楽人生には、長きにわたる差別との戦いがあった。1962年に彼が作曲した「自由への賛歌」は公民権運動を象徴する曲のひとつとなり、その音楽的・社会的影響は分断の続くアメリカで今なお響き渡っている。93年には脳梗塞を発症し、ピアニストとしては絶望的かと思われたが、懸命のリハビリで奇跡の復活を遂げ、2004年には来日も果たした。
監督:バリー・アブリッチ
(2020年製作/81分/G/カナダ)
配給:ディスクユニオン
ゲームの規則
ラ・シュネイ侯爵の領地コリニエールで狩猟の集いが開催されることになった。侯爵と夫人のクリスティーヌが出迎える客人は、大西洋を23時間で横断するという偉業を成し遂げた飛行士アンドレ、その友人でクリスティーヌのよき相談相手でもあるオクターヴ、侯爵の愛人ジュヌヴィエーヴなど、いずれもクセのある人物ばかり。アンドレとクリスティーヌが恋仲なのは社交界では周知の事実だったが、侯爵は、来る者は拒まない寛大な心の持ち主。狩猟から仮装パーティへと宴が続く中、それぞれの人物の思惑が複雑に絡みあい、やがて事態はとんでもない方向へと進んでいく。
監督:ジャン・ルノワール
(1939年製作/106分/フランス)
配給:コピアポア・フィルム
コルドリエ博士の遺言
パリ郊外に住む精神科医のコルドリエ博士は、遺言を親友の公証人ジョリに寄託する。しかしジョリは、オパールという知らない男の名が遺産相続人として遺言に記されていることに違和感を覚える。ある夜、少女が男に襲われているのを目撃したジョリは、その男を尾行し、男がコルドリエ博士の屋敷に逃げ込むのを目撃する。ジョリはすぐさまコルドリエ博士に警告をするのだが……。
監督:ジャン・ルノワール
(1959年製作/96分/フランス)
配給:アイ・ヴィー・シー
捕えられた伍長
1940年6月、フランスはドイツ軍に敗れ、休戦条約を結んだ。ある捕虜収容所に抑留されている、伍長を含む5人のフランス兵士たちは、脱走を試みては失敗することを繰り返す。次第に仲間内にあきらめムードが漂いはじめ、5人の絆も次第にほころびていくなかで、伍長だけはくじけていなかった。部下のパテルとともに6度目の脱走を試み、ついに2人は輸送列車に忍び込むことに成功するが……。
監督:ジャン・ルノワール
(1962年製作/107分/フランス)
配給:アイ・ヴィー・シー
オークション
盗まれたエゴン・シーレ
パリのオークションハウスで働く競売人アンドレ・マッソンは、エゴン・シーレ作と思われる絵画の鑑定を依頼され、元妻で相棒のベルティナとともにフランス東部の工業都市ミュルーズを訪れる。絵があるのは、化学工場に勤める青年マルタンが父亡き後に母と2人で暮らす家だった。シーレほどの著名作家の絵画はここ30年ほど市場に出ておらず、当初は贋作を疑うアンドレだったが、現物を見てシーレの傑作であることを確信。思いがけず発見された名画を巡り、さまざまな思惑を秘めたドラマが動きだす。
監督:パスカル・ボニゼール
(2023年製作/91分/G/フランス)
配給:オープンセサミ、フルモテルモ
配給協力:コピアポア・フィルム
ルネ・クレール
レトロスペクティブ
パリの下町をリリカルに描いた巨匠。世界の監督から敬愛されたルネ・クレールのレトロスペクティブ開催
<上映作品>
『ル・ミリオン』
『自由を我等に』
『リラの門』
『巴里祭』
『巴里の屋根の下』
26歳の若さで、写真家マン・レイや画家マルセル・デュシャン、音楽家エリック・サティらとシュールレアリスム短編映画「幕間」(1924)を発表したルネ・クレール。映像と音楽の大胆なコラボレーションを試み、世界を熱狂させた。無声映画からトーキー、モノクロからカラー、ワイド・スクリーンへと映画技術が目まぐるしく発展していく中で、ハリウッドへも渡り、第一線の監督として活躍し続けた。
今回のラインナップは、1930年代のトーキー初期に作られた傑作群。シャンソンの名曲を主題歌とし、パリの下町で花咲く若者たちの恋の行方を描いた「巴里の屋根の下」(30)と「巴里祭」(33)、ドタバタコメディタッチの「ル・ミリオン」(31)、社会批判を込めながら、男たちの友情と恋を描いた「自由を我等に」(31)そして、伝説的シャンソン歌手ジョルジュ・ブラッサンスとの幸運な出会いにより生まれた、人情喜劇の傑作「リラの門」(57)は、クレール円熟期の集大成として知られる。
◆1月25日~1月31日
ル・ミリオン
(1931年製作/83分/G/仏)
監督:ルネ・クレール
出演:アナベラ
ルネ・ルフェーブル
ポール・オリビエ
パリのアパルトマンで暮らす借金まみれの画家ミシェルと、その婚約者でオペラ座ダンサーのベアトリス。ある日、ミシェルの友人プロスペールが彼に宝くじの当選を知らせに来る。ミシェルはその宝くじを古い上着のポケットに入れていたのだが、上着は彼の知らぬ間に他人の手に渡っていて……。
(C)1931 - TF1 INTERNATIONAL - SOCIETÉ DES FILMS - SONORES TOBIS
◆2月1日~2月7日
自由を我等に
(1931年製作/84分/G/仏)
監督:ルネ・クレール
出演:アンリ・マルシャン
レイモン・コルディ
ローラ・フランス
刑務所仲間のルイとエミールは脱獄を図るが、要領の良いルイだけが成功してしまう。ルイはレコードを売る露天商から蓄音機会社の社長にまで出世する。やがて刑期を終えたエミールは、ジャンヌという女性に一目ぼれするが、彼女は偶然にもルイの会社の工場で働いていた。工場でエミールとルイは再会するが……。
(C)1931 ─ TF1 INTERNATIONAL ─ SOCIETE DES FILMS
◆2月8日~2月14日
巴里祭
(1932年製作/86分/仏)
監督:ルネ・クレール
出演:アナベラ
ジョルジュ・リゴー
レイモン・コルディ
アパルトマンの向かいどうしに住むタクシー運転手のジャンと花売り娘のアンナは、密かにひかれ合っていた。巴里祭の前日である7月13日、にわか雨をきっかけに心を通わせた2人は、翌日に踊りにいく約束をする。しかし、思いがけない出来事によって彼らの仲は引き裂かれ……。
(C)1933 - TF1 DROITS AUDIOVISUELS
◆2月15日~2月21日
リラの門
(1957年製作/99分/仏・伊)
監督:ルネ・クレール
出演:ピエール・ブラッスール
ジョルジュ・ブラッサンス
アンリ・ビダル
パリの下町で暮らすジュジュは、仕事もせずに酒に溺れる毎日を送っていた。そんなある日、近所に暮らす音楽家の友人の家に、警官を殺したピエールが逃げ込んでくる。2人はピエールを追い出そうとするが、負傷した彼を放っておけず、かくまうことに。ところが、ジュジュがひそかに思いを寄せているマリアがピエールに夢中になってしまい……。
(C)1956 ─ TF1 DROITS AUDIOVISUELS ─ RIZZOLI FILM ─ SECA
◆2月22日~2月28日
巴里の屋根の下
(1930年製作/93分/G/仏)
監督:ルネ・クレール
出演:アルベール・プレジャン
ポーラ・イレリー
エドモン・T・グレビル
パリの街角で歌いながら楽譜を売っている青年アルベールと相棒ルイ。ある日、アルベールはルーマニア出身の女性ポーラと出会い、恋心を抱く。しかし、ポーラはゴロツキのフレッドからも言い寄られていて……。
(C)1930 - TF1 DROITS AUDIOVISUELS
トラブル・ガール
自分だけの世界を持ち生きる少女、シャオシャオ。学校では、孤立しクラスメートからいじめを受けている。家では、母親から厄介者扱いされ、海外で働く父親は不在がちで、身近な存在でありながら他人のよう。そんな彼女の感情を理解し和らげてくれるのは、担任のポール先生だけだった。
しかし、ある嵐の日、彼女は母親とポールが不倫していることを知ってしまう。シャオシャオは困惑しながらも、複雑な関係に適応しようとするが――。
監督:ジン・ジアフア
(2023年製作/103分/台湾)
配給:ライツキューブ
劇場版 ほんとにあった!
呪いのビデオ109
とあるドキュメンタリー企画が「ほん呪」制作会社に持ち込まれる。それは、元「ほん呪」ディレクターの菊池を通しての持ち込みだった。企画者は一ノ瀬と名乗る女性ディレクターで、内容は彼女の知人・永戸佳史さん(仮名)にまつわる奇妙な調査記録だった。永戸さんはかつて妻と娘と3人で暮らしていたが、交通事故で娘のナナさん(仮名)を亡くし、妻も意識不明になってしまう。精神的に不安定になった永戸さんは新興宗教や占いにすがり、やがて失踪を遂げる。しかしその後、永戸さんは別の場所で「娘と暮らしている」ことが判明する。さらに、事故より数日後に収録されたとされる不可解な映像が見つかる。そこには永戸さんと、事故で亡くなったはずのナナさんが元気な様子で映し出されていた。
演出:菊池宣秀
(2024年製作/100分/日本)
配給:NSW